しばらく更新をストップしていましたが、授業の備忘録をつけた方が
頭に残るのでまた更新を始めることにします。
月曜日は、8限(20:35〜22:05)に「企業経営におけるグローバル戦略」
の授業を取っています。
<6/4(月)>
講師:ある分野で日本bPの工業用製品メーカー相談役(前会長)
テーマは90年代にポーランドの国営会社を買収したプロジェクトにおける
トップマネジメントの意思決定であった。
全体として、非常に分かりやすく面白い講演だった。
講師は相談役に退かれていらっしゃるが、まだまだ現役という
迫力をお持ちだった。
プロジェクトの進行状況や意思決定にスポットを当てた講演で
あったので詳細には語られなかったが、カントリーリスクの高さ
の判断や、技術力、投資対効果の検討には十全の準備をされていた
みたいである。
政府を相手にした交渉は困難が付きまとうと思う。その中で、当
プロジェクトを成功に導いた最大の要因は、@長期的な経営戦略
の観点からグローバル戦略の中で落とせないM&A案件であると
いう認識が共有された点と、Aトップのリーダーシップが発揮さ
れた点であろうと感じた。
数字上で収益性や企業価値について計算するといったテクニカル
な面ではなく、意思決定は長期的な観点から見た投資意思決定が
求められることを痛感させられた。
また、質疑応答では日頃実務上の相談が多い、クロスボーダーの
M&A案件における、ポストマージャー後の重要な点について質
問をさせて頂いた。
ご回答の中では、「技術と、技術を的確にコミュニケートする。
そして、ものづくりは文化であり、買収先企業の人間を如何に
巻き込むことが出来るか。」という点についてお話し頂いた。
また、「3年、5年、10年といったタイムレンジ」で経営を
考えて手を打つことの重要性を改めてお話しをされた。
我々は、MBAで意思決定のための資料作りの勉強をしていること
が多い。
リーダーとしての意思決定について学ぶには、内田先生がおっしゃる
ようにリーダーの体験談を右脳で感ずることが重要であろう。